システム開発の工期を短縮できる手法としてCCPM(クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメント)」がある。成果を出すには、単なるツールや手法の導入としてではなく、組織風土を含めたマネジメント全体を変える取り組みとして取り組む必要がある。

 CCPMを適用するに当たっては、従来プロジェクトマネジメントとはかなり異なる考え方を、現場のメンバーからリーダー、プロジェクトマネジャー、プロジェクトのオーナーに至る関係者全員が理解する必要がある。

 そのためには、CCPMを単なるツールや手法としてではなく、組織風土を含めたマネジメント全体を変えるプラットフォームと見なして、取り入れることが求められる。富士通システムズ・ウエストでCCPM関連サービスの責任者を務める中江功エンタープライズソリューション本部ERPソリューション事業部SAPソリューション部長は「マネジメントそのものを変える、という気持ちで取り組まなければ結果は出しにくい」と指摘する。

 プロジェクトにCCPMを適用し成果が出てくると、携わっている関係者のやる気が高まり、成功確率が上がるという。中江氏は「プロジェクトが成功すれば、企業が元気になり、日本経済の活性化につながる」と強調する。

 本連載の第1回(『〔工期短縮の鍵〕スケジュールを“攻める”』)、第2回(『〔工期短縮の鍵〕PMは「やりくり上手」だけでは不十分』)、第3回(『〔工期短縮の鍵〕すべての準備をしない限り仕事を始めない』)に登場した企業の取り組み、さらに2016年1月に開催されたCCPM関連カンファレンス『Project Flow 2016』(富士通システムズ・ウエスト主催)における講演内容を基に、導入の勘所を紹介する。