プロ野球が開幕して1カ月がたった。新生・阪神タイガースは金本 知憲新監督のもと、「超変革」をスローガンに、ルーキーの高山 俊選手をはじめ、野手では横田 慎太郎選手や江越 大賀選手、投手では岩貞 祐太選手と、若手の台頭がめざましく、よいスタートを切ったといえるだろう。

 阪神ファンは、2005年以来11年ぶりの優勝に期待を寄せる。しかし、果たして今シーズン優勝の可能性はどのくらいあるのか?

 野球解説者の多くは、開幕前に各チームの順位予想をする。その根拠は主に、各チームの戦力データや、キャンプを巡回して得られた実感、そして自身の豊富な経験からくる「勘」だ。

 スポーツは今や、対戦データを基に戦略を練る時代。中でもプロ野球は、野球評論家の野村 克也氏が提唱した「ID野球」のように、以前からデータ分析が盛んに行われているスポーツの1つである。

 しかし私たちファンでも手軽にデータ分析をして、よりプロ野球を楽しむ方法がある。使うのは、Excelだ。

 Excelを、多少の計算式を組み込んだ表の作成、ワープロのように使っている人が多いのではないだろうか。しかし、Excelは本来、計算をすることを主な目的として作られた表計算ソフトだ。データ分析に使わないのはもったいない。

 この特集で紹介する集計・分析機能は、プロ野球はもちろん、普段のビジネスでも活用できるはずだ。勘や経験則に頼っていた業務でも、数値化して明示することで、新たな気付きや確信を持った説得材料が得られるはずだ。

まずはデータを集めることから

 阪神タイガースの試合結果(スコアボード)を材料に、次のような視点でデータを集計、分析するための手順を見ていく。

・対戦チーム別、ホームゲーム/ビジターゲーム別の勝敗数を比較し、「鬼門」の球場や「内弁慶」を考える
・何回(イニング)に多く得点しているか、ホーム/ビジター別、勝敗別に比較し、「勝ちパターン」と「負けパターン」を考える
・エラー数をホーム/ビジター、勝敗別に比較し、「エラーしたチームが負ける」というセオリーは成り立つのか考える

 データ分析をするからには、まずはデータをそろえ、Excelに入力する必要がある。毎日のように試合を観戦しながら逐一データを入力するというのは、よほど熱心なファンでなければ難しいだろう。

 そこで今回は、ここではスコアボードに表示されるような基本的なデータに注目することにする。対戦相手や各イニングの得点、安打数、エラー数などだ。

 試合結果のスコアボード情報なら、阪神タイガースの公式サイトはもちろんのこと、ニュースサイトなどでも入手できる(画面1画面2)。過去の試合結果についても、調べる手段は多くありそうだ。休日などに空いた時間を利用して、コツコツと入力できる。

画面1●阪神タイガースの公式Webサイト
画面1●阪神タイガースの公式Webサイト
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画面2●「スポーツナビ」のWebページには、安打数や失策数も記載されている
画面2●「スポーツナビ」のWebページには、安打数や失策数も記載されている
URLはhttp://baseball.yahoo.co.jp/npb/
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