私たちが行なっている「ひと花イノベーション」は、“地に足をつけて・いまあるリソースで・すぐに着手できる”新規事業スタートアップの方法論である。もともと、ソフト開発会社であるギルドワークスと風土改革コンサルティングのスコラ・コンサルトが、「なぜそれを自分たちがやるのか」「それをやる上で自分たちの強みは何か」ということにこだわりを持つ特性を共通軸にして、着手および実現性の高いアプローチとして一緒に考案したものである。

 その大筋は以下のようなものだ。

(1)自社の土壌(既存の人材、商品・サービス、技術、営業基盤や顧客ネットワーク等)を掘り起こし、これからの時代環境の中で生きる自社ならではのタネ(強みの源泉や事業アイデア)を見つけ、今日の顧客にフィットする価値として再構築する。

(2)ビジネスとして芽が出る可能性(顧客に本当に必要とされるか)を仮説としてユーザーにぶつけ、短期間でスピーディに検証しながら新たな事業機会を探り、芽が生育して「ひとつだけの花」を咲かせるまでの実践をフォローアップする。

 (1)が「価値発掘」、(2)が「価値探索」である。

 この2つのアプローチは、どちらもチームにおける対話をベースに進めていくところに特徴がある(図1)。

図1●「ひと花イノベーション」の概要
図1●「ひと花イノベーション」の概要
[画像のクリックで拡大表示]