行政機関や企業などが持つデータをコンピュータで誰もが利用できるようにするオープンデータ。オープンデータの魅力の一つは、データを誰にとっても分かりやすく、そして美しく見せてくれること。そんな美しいオープンデータを堪能できるサイトを紹介しよう。

 トップバッターは、米国ロサンゼルスの地理空間情報プラットフォーム、GeoHubである。ロサンゼルス市がオープンデータとして公開している地理空間情報を集めたポータルサイトで、市民や市の職員が500種類以上のデータを地図上で見ることができる(図1)。

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図1●米国ロサンゼルスの地理空間情報プラットフォーム「GeoHub」
図1●米国ロサンゼルスの地理空間情報プラットフォーム「GeoHub」
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市街の情報を一目で

 GeoHubでは、オープンデータを利用したアプリケーションサイトをいくつか紹介している。このうちStreet Wizeというサイトでは、市内で予定されている道路工事の場所と期間が一目で分かる(図2)。地図上で位置と半径を指定すると、道路の舗装工事や下水管の取り替えといった公共工事の情報を簡単に調べることができる。

図2●Street Wize
図2●Street Wize
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 実は、Street Wizeの利用者はロサンゼルス市民らだけではない。市の職員がこのサイトを見ながら、工事のスケジュールを調整するために使っているという。海外オープンデータに詳しい一般社団法人オープン・コーポレイツ・ジャパン常務理事の東富彦氏は、「市の複数の部局が同じ場所の道路を補修した翌日に下水道管を変えるといったことがないようにしている」と話す。オープンデータは、行政が自らの無駄を省くのに役立つという典型例になっているわけだ。