ライバル企業はIT予算をどれくらい確保しているのか、開発プロジェクトで予算超過や工期遅延はどれくらい起きているのか、クラウドサービスを利用している企業はどれくらいあるのか――。

 IT戦略を立案・遂行するITマネジャやIT部員にとって、競合他社のIT戦略やIT投資動向は気になるものだ。様々なIT活用を支援するITベンダーの担当者も、ユーザー企業の実態を知ることは必要不可欠なことである。ところが、IT投資・活用の動向を肌感覚で分かっているITマネジャやITベンダーの担当者は意外と少ない。

 そこで、国内ユーザー企業のIT投資・活用動向を再確認するためのクイズを用意した。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査報告書2016」に収録された調査データを基に作成した(関連記事:JUASが「企業IT動向調査」と「ソフトウェアメトリックス調査」の最新結果を発表)。

 「企業IT動向調査」はユーザー企業のシステム部門を対象にした調査としては国内最大規模のもの。最新の調査報告書には、上場企業クラス1115社の調査・分析結果が収録されている。その中から全10問を用意した。何問解けるか、チャレンジしてみよう。

  • 【問題1】IT予算は売上高の何パーセント
  • 【問題2】IT予算の何割が企業価値向上に割り当てられる?
  • 【問題3】プロジェクトの工期遅延はどれくらい発生?
  • 【問題4】プロジェクトの予算超過はどれくらい発生?
  • 【問題5】ブラックボックス化したシステムの保有率は?
  • 【問題6】新規システムでのIaaS/PaaS利用は進んでいる?
  • 【問題7】ビッグデータを活用している企業はどれくらい?
  • 【問題8】スマートフォンのBYODを認めている企業は何割?
  • 【問題9】IT要員は従業員の何パーセントくらいいる?
  • 【問題10】セキュリティを経営会議で議論する企業は何割?

では、最初の問題。

【問題1】IT予算は売上高の何パーセント?

 「IT予算は売上高の1%」と一般的に言われてるが、実際はどうだろうか。ITの適用範囲が広がれば自ずとIT予算は増える。一方、ITサービスのコモディティ化と低価格化が進んでいるため、適用範囲が同じであればIT予算は減っていく。

 「企業IT動向調査2016」の調査結果では、IT予算が売上高に占める割合の全体平均は1.21%だった。しかし、業種グループや企業規模、営業利益率の違いなどによるバラツキは大きく、一概に「売上高の1%」というのは適切ではないことも分かった。

 業種グループ別で見ると、IT予算の売上高に占める割合が最も高かったのは「金融グループ」、最も低かったのは「建築・土木グループ」だった。それぞれの割合の組み合わせとして正しいものはどれか。

(1)金融=約10%、建築・土木=約0.7%
(2)金融=約8%、建築・土木=約0.5%
(3)金融=約6%、建築・土木=約0.3%
(4)金融=約4%、建築・土木=約0.1%

 正解と解説は次のページ。