マイクロソフトは、“オンプレクラウド”「Micosoft Azure Stack」を2016年度中に提供予定。次期サーバーOS「Windows Server 2016」のラインナップ中、Datacenterエディションの上位版として、Azure Stack用の製品を提供する計画である。

 「Windows Server 2016は、ネットワークやストレージの仮想化を強化し、“Software Defined(ソフトウエア定義)”を推し進める。Azureのミニ版というコンセプトを持つAzure Stackは、こうしたニーズに向いている」(日本マイクロソフト クラウド&エンタープライズビジネス本部 クラウド&サーバー製品マーケティング部 エグゼクティブプロダクトマネージャー 伊賀絵理子氏)。

 Azure Stackは、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)をカバーする「クラウド インフラストラクチャ」と、その上のサービスフレームワークなどで構成する。

写真1●Micosoft Azure Stackのアーキテクチャー(出所:日本マイクロソフト)
写真1●Micosoft Azure Stackのアーキテクチャー(出所:日本マイクロソフト)
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 サービスフレームワークでは、「基本」「追加」「コア」という3種類のサービスを提供。Azureが提供するPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)やサードパーティーの新サービスは、追加サービスとしてAzure Stack上で利用可能にしていく。

 クラウドに注力するマイクロソフトは、新たな製品・サービスの展開でクラウド版を先行する“クラウドネイティブ”を進めてきた。例えば、4月20日に日本マイクロソフトが発表したデータベースの次期版「SQL Server 2016」は、最初にAzure上のPaaS「Azure SQL Database」として提供開始される。SQL DatabaseはAzure Stack上でも利用可能にする計画だ。Azure SQL Databaseのフィードバックを一通り取り込んだところで、SQL Server 2016 のパッケージ版を作り販売する。パッケージ製品をクラウドに乗せるという従来の手順が逆転するなか、Azure Stackの存在感は高まりそうだ。