日本オラクルは2015年4月21日、「Oracle Cloud Machine」を発表した。同社のパブリッククラウド「Oracle Cloud Platform」を構成するソフトウエアを同社製ハードウエアに入れて、顧客のオンプレミス環境に設置。ユーザーは自社データセンター内で、Oracle Cloud Platformと同様のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を利用できる。顧客先の既存システムとOracle Cloud Platformを仲介し、ハイブリッドクラウドの要も担う製品である。

写真1●ハイブリッドクラウドの要となる「Oracle Cloud Machine」(出所:日本オラクル)
写真1●ハイブリッドクラウドの要となる「Oracle Cloud Machine」(出所:日本オラクル)
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 「社外に出せないデータを持っていたり、ネットワークのレイテンシーが問題になったりと、システムを社内に置きたいと考える顧客は少なくない。でも“モノは買いたくない”のでクラウドを使いたい。そうしたニーズに応えるのがOracle Cloud Machine」。日本オラクル 執行役員 クラウド・テクノロジー事業統括 Fusion Middleware事業統括本部長 本多充氏は、用途をこう説明する。

 「パブリッククラウドとの違いは、顧客のデータセンターの中に、Oracle Cloud Machineの置き場所と電源を用意してもらうくらい」。本多氏がこう話すように、Oracle Cloud Machineの使い勝手はOracle Cloud Platformのそれに近い。「Oracle Cloud Machineの導入・設定はもちろん、ハードウエアやソフトウエアのリモート監視などもオラクルが行う。顧客の責任範囲は、Javaで作ったアプリケーションなど顧客がPaaS上に導入したソフトウエアだけだ」(本多氏)。

 社内にPaaSがあるメリットは大きく三つ。クラウドを利用しながら、機密データを社外に持ち出さなくて済むセキュリティ面。システムへのアクセスがデータセンター内のネットワークに閉じるため、高いレスポンスが得られる。