Azureではデフォルトで、IPアドレスがDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)によって割り当てられる。例えばVirtual Machinesのインスタンス(仮想マシン)を再起動すると、そのたびにIPアドレスの再割り当てが行われる。

 そのため、固定のFQDN(Fully Qualified Domain Name)をリソースのアドレスとして使うことがある。例えばAzureのアプリケーションサーバーサービス「Web Apps」でWebサーバーを作成すると、「○○○.azurewebsites.net」といったFQDNが割り当てられる(○○○の部分はユーザーが指定できるが、あとから変更できない)。この場合、Webブラウザーに「http://○○○.azurewebsites.net」と入力すると、インターネットからアクセスできる。もっともFQDNを公開サーバーとして利用するには難があるので、通常はDNS(Domain Name System)サーバーの設定で「www.○○○.co.jp」のようなCNAME(Canonical NAME)に置き換える。

 ただしFQDNを使っても、固定のIPアドレスが必要になるケースがある。例えば、ファイアウォールが送信元IPアドレスや送信先IPアドレスといったIPアドレスでしかアクセス制限をできない場合だ。その際、IPアドレスを固定化する方法が分からず、戸惑いがちである。