Virtual Machines では、オンプレミス(自社所有)環境と同じ要領で、仮想マシンのインスタンスを作成・利用できる。このため、オンプレミス環境と全く同じ感覚で利用を始めるケースが多い。

 ここに、つまずきポイントが隠れている。Virtual Machines のインスタンスはいつ勝手に再起動されても文句をいえない(Virtual Machines のサービスレベルアグリーメント= SLA については後述する)。

 オンプレミス環境では、業務に極力影響しない時間帯に仮想マシンを再起動するだろう。しかしAzure に限らずパブリッククラウドサービスでは一般に、基盤のメンテナンスはサービス事業者の都合で実施される。

 Virtual Machines のインスタンスを1 台だけ使うような、冗長化していないシステムは、Azure 基盤のメンテナンスによって強制的に再起動が掛かると、その間は停止してしまう。メンテナンスは定期的に行われるわけではない。Virtual Machines のインスタンス1 台の構成では、業務時間中にいきなりシステムが停止することを覚悟する必要がある。