店内の顧客の動きをセンサーで捉え、売り場配置の改善などに役立てる「動線分析」を導入する企業が増えている。

 九州地方でホームセンター「グッデイ」を運営する嘉穂無線(福岡県那珂川町)もその1 社だ。2015 年2 ~ 4 月にかけて、福岡県大野城市の「グッデイ大野城店」のショッピングカートにタブレットを搭載。店内の様々な場所に設置したビーコンと通信して、来店客の店内での動線を見える化する取り組みに挑戦した。

 しかしその分析結果を見た柳瀬隆志代表取締役副社長はがっかりした。「落書きのような動線図を見ても、どう読み解けばいいのか、売り場作りにどう反映すればいいのかが、全く分からなかった」からだ。

 下図に示したように、1 人の顧客が店内を回遊したり、滞留したりする動きは分かるが、それが売り上げとどう関連するかが読み解けない。さらに顧客1 人ひとりの動きは追えても、他の顧客との違いが見えてこないという問題もあった。

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 そこで柳瀬副社長は、分析作業を担当したパナソニック ソリューションテクノロジー(東京・港)にPOS (販売時点情報管理)データを開示して、動線データと購買履歴の結び付きを分析するよう依頼した。そこから導き出された4 つのグラフが、店舗の“常識”を打ち破る意外な事実を明らかにした。