この連載では、2015年12月に始まったストレスチェック制度に関連して、NPO法人ITスキル研究フォーラム(iSRF)がITエンジニアを対象に実施したストレスに関する実態調査の結果を紹介している。前回(エンジニアの36%は退職リスクが「髙」)は、高ストレスになる個人的要因の三つめとしてモチベーション(やる気)に焦点を当てて説明した。
今回は高ストレスになる個人的要因として、生活習慣とその他の要因に触れることにしたい。加えて、今回の調査対象とした集団の属性別にストレス要因、ストレス反応、サポート状況を比較してみる。
朝食は「簡単な食事をすばやく」、運動は「気が向いたときだけ」
個人の生活習慣は、ストレス状態になるかどうかを大きく左右するものの一つだ。生活習慣がストレスを助長しているケースもあれば、ストレスの結果、その生活習慣になっているケースもあるだろう。いずれにしても、高ストレス者に共通する生活習慣があると考えられる。
今回、旧UFJ銀行東京本部健康管理センター所長の埋忠洋一医師の指導の下、生活習慣に関して調査した。調査では、以下の項目について質問した。
- 睡眠の質について(ぐっすり眠れている、ある程度眠れている、十分な睡眠がとれていない)
- 起きたときの気分(スッキリ起きられる、スッキリ起きられないことがある、スッキリ起きられない、起きるのが嫌)
- 朝の食事について(しっかりとした食事、簡単な食事、ほとんど食事していない)
- 1日の食事回数について(4回以上、3回、2回、1回以下)
- 食事内容について
- 出社時に感じることはどれですか
- 今、どれくらい忙しい時期ですか
- あなたの仕事に対する心の負荷について
- 仕事に対する心の負荷の状態がどの程度続いていますか
- 今の仕事の状態が、今後、どのぐらい続きそうですか
- 日頃から体をうごかしていますか
- ここ半年であなたの生活が変わるようなことがありましたか
- 気分転換になる趣味をもっていますか
- 休日は楽しめていますか
- 会社外に本音で話せる友人・知人がいますか