電源部分やインタフェース部分、内部のチップなど、NAS自体が壊れることもある。復旧可能な台数以上のドライブが同時に壊れてしまえば、RAIDを組んでいてもファイルは失われてしまう。そうした事態に備えて、NASに保存したファイルをバックアップすることも重要だ。

企業向けNASの上位製品は、PCやNASのデータをバックアップするための手段をいくつも用意している
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PCのファイルはバックアップツールでNASに自動で保存

 まずは、PCのバックアップ先としてNASを使うことを考える。PCからNASにファイルをバックアップする一番簡単な方法は、NASの共有フォルダーに手動でファイルをコピーすることだ。どんなNASでも利用できるし、ドラッグ・アンド・ドロップするだけなので、作業自体は簡単だ。ただ、バックアップ対象のファイルが多数のフォルダーに保存されている場合は、かなり面倒になる。

 こうした作業は、PCで動作するファイルのバックアップ/同期ツールを使えば簡単になる。フリーソフトのような汎用ツールを使ってもよいし、NASメーカーが提供しているツールを使ってもよい。NASメーカー各社は、NAS用のバックアップ管理アプリに加え、そのアプリと連携して使うPC用のバックアップ/同期ツールを用意していたりする。

ローカルドライブやネットワークドライブを問わず、同期やバックアップができる「ばっちり同期2016」(プロフェッショナル・ライブラリー、有料ソフト)
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 NAS用のバックアップ用アプリを導入し、PC上で動作するクライアントアプリで設定すれば、PC内の指定したフォルダーを、指定したタイミングで自動でNASの共有フォルダーにコピーする。PC上のフォルダーを監視して、ファイルが追加されたらすぐにコピーするものもある。

Synologyの「Cloud Station Backup」。指定したPCのフォルダーを監視し、新しく保存されたファイルを自動でNASにバックアップする
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