小規模事業所に導入するなら、部門や利用者単位でのユーザーアカウントの登録や、その権限設定を行わなければならない。今回はユーザー管理の重要性と、その方法を紹介する。
管理者と利用者のユーザーアカウントは切り分ける
前回作成したのは、「管理者」や「Administrator」と呼ばれる最も強い権限を持つユーザーアカウントだ。NASに対してあらゆる設定が可能であり、トラブルが起こったときにも、このユーザーアカウントでログインして作業する。
こうした強い権限のユーザーアカウントを、日常的に複数のユーザーに利用させるのは危険だ。うっかりミスで他のユーザーが保存した重要なファイルを消去してしまうこともあるし、管理者が設定したNASの設定を変更してしまうこともある。そのため「NASを管理するアカウント」と、「NASを利用するだけのアカウント」は、分けて運用しなければならない。
共有フォルダーのアクセス権限 | NASの設定 | |
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管理者 | トラブルに対応するために、全ての共有フォルダーにアクセスできるようにしておく | 全ての機能を利用できる管理者用アカウントを設定して管理する |
利用者 | それぞれのユーザーに与えられた専用フォルダーと共用フォルダーのみに接続できる設定にする | 利用者向けの一般的なアカウントを割り当てる。NASの設定機能は利用できないので、トラブルが発生しにくい |
フォルダーは個人向けと共用を作成する
共有フォルダーに対するアカウントごとの権限設定も重要だ。NASでは作成した共有フォルダーに対して、アカウントごとに「アクセスできる」「アクセスできない」「ファイルを閲覧できる」「ファイルを編集できる」など、細かく権限を設定できる。
例えば、ユーザーAに対しては共有フォルダーAのみ、ユーザーBに対しては共有フォルダーBのみを読み書きできるという設定が可能だ。これにより、あるユーザーが他人のファイルを消してしまったり、ファイルの盗み見や改ざんしたりすることを防げる。