今回は、NASを導入するまでの手順を紹介する。各社ともに分かりやすい導入ウィザードを用意しており、画面の指示に従うだけで、LAN内のユーザーが利用できる共有フォルダーを作成できる。ドライブを内蔵しないNASでは、3.5インチHDDを組み込まなければならない。このHDDの選び方も説明する。

今回はHDDを内蔵しない4ベイタイプのNASに、3.5インチHDDを組み込んでNASとして利用できるようになるまでを解説する
今回はHDDを内蔵しない4ベイタイプのNASに、3.5インチHDDを組み込んでNASとして利用できるようになるまでを解説する
(撮影:竹内 亮介、以下同じ)
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利用するユーザー数に合わせてグレードを選ぶ

 複数台の3.5インチHDDを組み込める企業向けのNASでは、組み込めるHDDの台数のほかにも違いはある。高価なタイプでは、高性能なCPUや大容量メモリーを搭載しており、多くのユーザーから同時にアクセスがあったり、パリティ演算が必要になるRAID構成にしても、読み書き性能を低下しにくくしている。

 LANポートを2個備える製品では、対応するイーサネットのハブと組み合わせることで転送速度を高める「リンクアグリゲーション」機能が利用できる。また1個のLANポートに不具合があって通信できなくなっても、もう1個のLANポートでファイル転送を継続できるようになっており、業務が停止する事態を防げる。

台湾Synology製の「DiskStation DS415+」の例。LANポートを2個装備しており、リンクアグリゲーションに対応する
台湾Synology製の「DiskStation DS415+」の例。LANポートを2個装備しており、リンクアグリゲーションに対応する
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 HDDに比べて読み書きが速いSSDを組み込んでキャッシュとして使うことで、NAS全体としてのファイル読み書きを高速化できるNASも増えている。これも4個以上のドライブベイを搭載する高価な製品でサポートされる機能である。

 ただし安価なNASでも、ユーザーごとに利用権限を設定するユーザー管理機能、複数のOSから利用できるようにするファイルサービス管理機能、外出先からインターネット経由で接続してNAS内のファイルにアクセスできるようにする機能には、大きな違いはない。