全4回にわたって、デザインの基本を押さえる本特集。最終回は、実際の広告バナーの事例を紹介します。広告効果が高かった事例をクイズ形式で読み取りながら、仮説も解説する、実践的な内容です。

大切なのは、PDCAを回して見える勝ちパターン

 「年収2000万以上の求人特集」というバナー広告では、ビジネスシーンをイメージさせる2つの写真を使用し、実際に広告展開を進めました。よりアクセス数が多かったのはどちらだと思いますか。

こちらがA
こちらがA
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こちらがB
こちらがB
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 正解は、A。

 どちらもデザインの基本を押さえたテキストの配置や、ターゲット設定を明確にしていますが、Aの方が圧倒的にアクセス数を上げられました。

 考え得る仮説は2点あります。まず、年収2000万円というフォントの上質さ。Bが平面なフォントであるのに対して、Aは立体感と光沢を加え、高級感を持たせています。 高級感を持たせることで、ワンランク上の自分を想起してもらうことが狙いです。「年収2000万円」という文字を加工することで、その意味を強く印象付けることができます。

 そして、ターゲット層に、よりリアルに仕事をしているシーンを連想させる写真です。Bはファッションの広告にも使えそうな優雅な写真で、高級感は出ているものの、実際のビジネスシーンとは少しかけ離れています。

 一方、Aはビジネスパーソンが車に乗って電話をかけている、現実味のある写真です。多忙に仕事をこなすターゲット層に寄り添い、共感させることができたのではないかと考えられます。

 次の題材は、「海外勤務の求人特集」。海外を分かりやすくイメージさせる飛行機と空の写真か、パリのシャンゼリゼ通りか。どちらがより広告効果を上げたと思いますか。

こちらがA
こちらがA
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こちらがB
こちらがB
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 正解は、B。こちらも、アクセス数の違いは歴然でした。