ファッションから建築物、空間演出、ポスター、ジャケット、商品パッケージ……。世の中のものはほとんど、誰かの手によってデザインされ、私たちの元に届けられる。

 では、いいデザインと悪いデザインは何が違うのか。人の心を動かし、人にアクションをさせるデザインは、どのように生み出されていくのか。

 人材領域を中心としたインターネットサービスを運営するビズリーチで、デザインを手掛けるクリエイティブ部が、Webデザインに特化したデザインのポイントを4回にわたって解説する。


 デザイン品質の向上とブランド力強化を掲げ、2015年10月にクリエイティブ部を立ち上げたビズリーチ。社内のデザイナーは会員制転職サイト「ビズリーチ」をはじめ、20代のためのレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」、求人検索エンジン「スタンバイ」などで、サイトバナー広告、企業広告、サイト設計やUI/UXなど全て手がけています。

 外部デザイナーと契約し、デザインを外注する企業も多いなか、ビズリーチでは全て内製化。マーケティング担当、エンジニア、デザイナーが一緒にプロジェクトを組み、ユーザー(転職者)目線、企業(自社・広告主)目線、技術的な実現可能性などについて、それぞれの知見を持ち寄ってデザインし、効果を検証するPDCAサイクルを高速で回しています。

 このように「インハウスマーケティング」は社内にノウハウが蓄積されるメリットがあります。また、デザインのポイントを非デザイナーが理解できれば、部署横断で当事者意識を持つことができ、同じ目的に向け一丸となってサービスを育てていくことができます。

 インハウス(内製化)が難しい企業でも、デザインの勘所を押さえておくことで外部デザイナーとのやり取りが発生したときに、担当者の品質確認がスムーズにできるようになります。

 今回は、「いいデザインに必要なもの」をテーマに、デザイナーはもちろん、マーケターやエンジニアにも理解してもらいたい、基本的な考え方を解説します。