前回は、従来のマーケティングとコンテンツマーケティングの違い、そして良いコンテンツの定義について、お話ししました。次にBtoB企業がコンテンツマーケティングを行うにあたり、何を意識しなければいけないのか。コンテンツマーケティングの歴史や、BtoCとBtoBマーケティングの違いを紐解きながら、解説していきます。

コンテンツマーケティングのはじまり

 農機具メーカーである米国のディア&カンパニーが1895年に創刊した「THE FURROW」という雑誌が、初めてコンテンツマーケティングとして、もっとも有名な成功事例といわれています。

 「THE FURROW」は、自社ブランドの農機具を売り込むことはせず、農作物の育て方や、当時の最新テクノロジーの知識など、農民たちが事業に成功し、豊かになれること目的とした内容を掲載していました。自社商品を購入してもらうことを目的としつつも、広告などの売込みを控え、顧客が高い関心を寄せる事柄に徹して、信頼関係を構築し、最終的に自社の商材を選んでもらえるようにしたこの仕組みは、コンテンツマーケティングの真髄といえます。

 そして今、デジタル時代に突入し、顧客自らが情報収集するなか、売り手の一方的なアプローチではなく、顧客視点に立ち、顧客に選んでもらえる、コンテンツマーケティングという手法が、BtoCであれ、BtoBであれ、有効なマーケティング手法として各企業から注目が集まっているわけです。