写真1●「JAWS DAYS 2016」内のパネル討論「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」の模様
写真1●「JAWS DAYS 2016」内のパネル討論「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」の模様
なぜか着ぐるみで登壇した2人のCIOに会場は沸いた
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 米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)の日本における最大のユーザーグループである「AWS User Group - Japan(JAWS-UG)」は2016年3月12日、東京都内で年次イベント「JAWS DAYS 2016」を開催した。全国から約1100人が参加した。

 会場内では、「長谷川秀樹のIT酒場放浪記」と題するパネル討論が行われた。東急ハンズのCIO(最高情報責任者)である長谷川秀樹執行役員(ハンズラボ代表取締役社長)と、ITproの人気連載コラム「極言暴論!」でおなじみの日経コンピュータ編集委員の木村岳史を含む登壇者らが、IT談義を繰り広げた。

 ここでは「極言暴論JAWS出張版!」として、議論の模様を伝える。最初の討論では、日清食品グループ執行役員CIOグループ情報責任者を務める喜多羅滋夫氏も登壇し、3人で議論した(写真1)。

 なお、酒場の名に違わず、登壇者はアルコールを飲みながらリラックスした雰囲気で臨んだ。口は滑らかで、時には“暴論”も飛び出した。ここではなるべくその場の雰囲気を忠実に再現するが、少々過激な発言も含まれることをご容赦願いたい。

(構成は清嶋 直樹=日経コンピュータ


長谷川氏:まず、この3人で「情シス不要論」について議論したい。木村さんの主張をスクリーンに示す(写真2)。

写真2●木村岳史が主張する「情シス不要論」
写真2●木村岳史が主張する「情シス不要論」
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木村:これらの主張は私が「極言暴論!」の連載でもしばしば言ってきたことだ。既存の情シス(情報システム部門)はもう「用済み」だというのが私の主張だ。

長谷川:私は木村さんに同意できる部分もあるが、反論したい部分がある。木村さんが言う情シスの機能って「攻め」の機能。だが、現実には情シスは既存システムを維持していく「守り」の機能がほとんどだ。同じ人間に守りをやりながら攻めをやれというのは難しい。

 新規開発をどんどんやって「攻め」ようとしている私でさえ苦労していて、「もう新規開発やめようかなあ」と思うことがある。新規開発をやめたら、不具合も起きず、社内から怒られることもない。そういうつらい立場も分かってほしい。

木村:なるほど、とも思うけど、着ぐるみだと説得力ないな(笑)。

 既存の情シス部門のどうしても機能が必要なら、それとは別に、攻めに徹する「第2の情シス」を作るのはどうか? 社内のネットビジネスやデジタルビジネスをやっている人たちを集めてもいい。