「N高?『N』って何?」。こんな反応が返ってきそうな高等学校が2016年4月に開校する。学校法人角川ドワンゴ学園が運営する「N高等学校」だ。その実体は全日制高等学校と同様の高校卒業資格を取得できる単位制による通信制(広域)高等学校である。学校教育法第1条に基づいて設置される点は他の高等学校と同じだ。

写真1●2015年10月に開催された校名の発表会の様子。時間や場所にとらわれない授業スタイルをネットで実現する
写真1●2015年10月に開催された校名の発表会の様子。時間や場所にとらわれない授業スタイルをネットで実現する
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 ただ、明らかに違う点もある。それは“ネットの高校”を標榜している点だ。学校法人角川ドワンゴ学園という名称から分かる通り、カドカワグループのドワンゴやKADOKAWAが全面的に支援する(写真1)。具体的には後述するが、その支援によってN高等学校はプログラミングや小説創作、さらには大学受験のための講座など様々なネットを介した課外授業を設けている。こうした部分がN高等学校を特徴づけているとも言えるいえるし、逆に“なんでもあり”の漠とした印象を与えているとも言える。

 N高等学校の常務理事で学校長の奥平博一氏は次のように述べる。「Nに意味を持たさない、固定的な何かを与えたくないんですよね。『N高に行ったら東大に行けるよ、N高に行ったら何々できるよ』ではなく、それは結果論。多様性を、どんなものでも生かしていける学校にしたいんですよ」。冒頭の「『N』って何?」の回答とも言えるが、では具体的にどのようにして多様性を生かす学校にしていくのだろうか。まずは4月開校のN高等学校がどのような学校なのか、基本情報を押さえていこう。