世永玲生です。家庭用ゲームの元デザイナーで、現在はスマホゲームやWebサービスのマーケティングやコンサルティング、サービス分析などを行っています。この連載では主にゲームデザインの観点から、ソシャゲの秘密を語っていきたいと思います。
Pokémon GO(ポケモンGO)、楽しんでますか? 今回はポケモンGOの将来をゲームデザイナーの目で予想します。開発元の米ナイアンティックのCEO(最高経営責任者)のジョン・ハンケ氏は「近い将来、ポケモンの交換機能を実装する」などと話していますが、それ以外にも「やるべきこと」「やるだろうこと」はあると思うからです。そこで今後のアップデートでどんな機能が加わり、どんな改良が施されるか。ゲームデザイナーの視点で大胆に予想してみましょう。
「基本のデザイン」+「追加設定したルール」がゲームデザイン
具体的な改良案の説明に入る前に、ゲームデザインで何ができるかについて、少し説明させて下さい。ゲームデザインは「基本のデザイン」+「追加設定したルール」の組み合わせで作っていきます。
基本のデザインはゲームの骨格です。ポケモンGOの場合で説明すると、
- マップ上のどこかに隠れているポケモンを探しだす
- マップ画面に現れたポケモンをタップする捕獲画面になる
- ポケモンにボールを当てて捕まえる。捕獲できる可能性(捕獲率)はレア度で異なる
- 捕まえるとポケモンを進化させるアイテム(ポケモンのアメ)と、強化するアイテム(ほしのすな)が手に入る
- ボールなどのアイテムはポケストップに訪れると入手でき、ジムでは手持ちのポケモンでバトルできる。ポケモンの強さは種類や進化、強化の度合いで決まる
などが基本のデザインになります
お気付きのようにポケモンGOの基本のデザインはオリジナルの「ポケットモンスター」からポケモン収集の部分を抽出した形で作られています。抽出したポケモンのゲーム要素を、AR(拡張現実)技術を使った位置情報ゲームのフレームワークに当てはめたと言ってもよいかもしれません。実際に、ポケモンGOによく似たゲームは過去にいくつかリリースされています。