世永玲生です。今回はゲームの企画における「オリジナリティ」とソシャゲ以降の「ゲームの進化」の話をしたいと思います。

 皆さんご存知の「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント)。この大ヒットゲームをゲームの企画という観点で見たときに、どこにオリジナリティがあったと思いますか?

提供=123RF
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 パズドラはその名の通り、パネルを3つ以上そろえて消す「パズル」部分と、それで敵を倒して自分のキャラを強化し、さらに強い敵を倒すRPG(ロールプレイングゲーム)的な「ドラゴン」部分の二つの要素を持つゲームです。実はこのどちらにも元ネタはあります。

 パズドラのドラゴン部分は「ハクスラ系RPG」です。ハクスラというのは「ハックアンドスラッシュ」の略で、敵と戦って強くなって、さらに強い敵とのバトルに挑んでいく、というスタイルを指します。もともとは「テーブルトークRPG」と呼ばれるゲームの用語です。ハクスラ系RPGの名作はコンピュータゲームに限ってもたくさんあります。スーパーファミコンの名作ゲーム「トルネコの大冒険」(チュンソフト)や、同じくチュンソフトの「風来のシレン」あたりなら、プレー経験があるITproの読者も多いのではないでしょうか。

 一方のパズル部分は、「マッチ3パズル」と呼ばれるパネルを3つそろえて消すゲームです。実は、マッチ3パズルは、パズドラの直前の頃にははやりすぎてお腹いっぱいになってたジャンルです。当時、各ゲーム会社の企画担当に対し「もうマッチ3の企画は持ってくるな」という通達が回っていたほどでした。

 国内で最初にはやったマッチ3パズルは「ZOO KEEPER」(KITERETSU/ロボット/サクセス、外部リンク))あたりだと記憶しています。ZOO KEEPERは最初、Flashゲームとしてスタートし、その後様々なプラットフォームに移植されました。

 このようにパズドラの基本となる二つのゲームにはいずれも元ネタがあります。では、ハクスラ系RPGとマッチ3パズルの組み合わせにパズドラの新しさがあったのか? それも違います。この組み合わせにも先駆者となる元ネタのゲームがあるからです。それが「Dungeon Raid」(Fireflame Games、外部リンク))です。