ムゲンコンボの手塚 武です。この連載では「ソシャゲの秘密」をゲーム企画や開発の観点からいろいろ語っていきたいと思います。一般向けにやさしく話していくつもりですので、お気軽にお付き合いください。

提供=123RF
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 プログラマの吉岡 直人さんが前回のコラムで「 ゲームで稼ぎたいなら数学を学べ」という刺激的なタイトルを付けておられたのに触発されて、企画マンの僕としては苦手な数学はお任せして、「企画職には国語力が重要だよ」というお話を書いてみます。数学を自在に使いこなせるプログラマのように稼げるかどうかは分かりませんが、食いっぱぐれのない企画マンにはなれるんじゃないかと思います。

 ゲームの企画職は昔から、「誰でもできるけど誰もができるわけではない」という禅問答のようなことがよく言われます。これはどういう意味なのか?というと、全くスキルがなくても(要するに誰でも)採用されるという意味です。

 ゲーム開発関連のほかの職種、例えばプログラマやグラフィック、サウンドのような職種は新卒であっても「手に職」が必要です。超大手なら入社後の研修でスキルを学ばせてもらえるケースがひょっとしたらあるかもしれませんが、私の知る限りほとんどのゲーム会社ではスキルが全く無いとこの手の職種に採用されません。

 唯一企画職だけがスキルに無頓着なのは、新卒採用時にはその人の「企画スキル」を評価するのが難しいからです。