世永玲生です。今回も前回に続いてソーシャルゲーム(ソシャゲ)が売り上げをどのように作っているか、というお話をしましょう。

提供=123RF
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 前回、対価を支払って、サービスを利用したプレーヤーの人数を1日当たりのアクティブユーザー(DAU=Daily Active User)で割った数値である「課金率」と、課金プレーヤー当たりの課金額(ARPPU=Average Revenue Per Paid User)がソシャゲの売り上げを見るのに重要な指標であると説明しました。以下の式です。

 DAU × 課金率 × ARPPU = 売上金額

 つまり売り上げを高めるには、DAUか課金率かARPPUを高めればよいわけです。一般的に言って、課金率とARPPUに直接効くのはいわゆる「ガチャ」施策です。ただ、ARPPUの値を高くし過ぎる、つまり一人によりたくさん支払ってもらうようにし過ぎると、ゲームの寿命が縮まるとソシャゲ業界では言われています。

 残る「DAU」を高める方法はどうでしょうか? DAUに効くのが、今回説明する「コンテンツの設計」です。

 コンテンツについては「ユーザーがやること」と、この連載の私の回の第1回で説明しました(関連記事: 世永玲生~ソシャゲの成功と失敗を分ける「コンテンツ」)。やってもいいしやらなくてもいいけど、やると楽しかったり、モチベーションが湧いたり、ちょっと得したりするといった類がコンテンツです。

 そもそも「DAU」を高めるとは要するにプレーヤーが毎日ゲームをプレーしてくれる状況を作り出すことです。つまり毎日ゲームを起動したくなる「コンテンツ」を用意するのが第一歩となります。