ちゅらっぷすの成沢理恵です。今回から何回かに分けて、「がんばれ森川くん2号」などのユニークなゲームで知られるゲームディレクター兼プランナーの森川幸人氏をゲストに迎え、プロデューサーの仕事について、違った視点を交えて説明していきます。

提供=123RF
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 森川氏はゲーム制作会社ムームー(同社のWebサイト)の代表取締役であり、現役バリバリのグラフィック・クリエイターでもあります。私とは、PC向けゲーム「コスモぐらし」(スクウェア・エニックス)で私がプロデューサー、森川さんがディレクター兼プランナーとしてご一緒して以来、親しくさせていただいている仲です。

 さて早速森川氏とお話を始めましょう。前回の私のコラム(関連記事:成沢理恵~ソシャゲプロデューサーのお仕事とは?)では、ソシャゲプロデューサーがどんな仕事をしているのかを説明しました。それを踏まえて、果たしてプロデューサーは、ソシャゲの売上にどんな影響を与えているか? そもそも必要なのか? 売り上げが変わるのか? というお話を今回はします。結論から言うと、プロデューサーで売り上げは変わるのです。

 前回ゲーム作りはチーム戦だと説明しました。ゲーム作りにはプロデューサー以外にも様々なプレーヤーが登場します。特に密接に関わってくるのが、ディレクターやプランナーです。

森川氏「外から見ると、プロデューサーもディレクターもプランナーもプログラマも多分みんな一緒に見えますよね。でも実は役割は全然違う。そうだなぁ、物理学で例えると、理論屋がプランナーやディレクター、実験屋がプログラマやグラフィッカー。で、理論屋と実験屋の間に立ってうまくジョイントをさせていく役割がプロデューサーになるね」

 物理に精通されている森川さんならではのコメントですが、つまり、こうやったら面白いんじゃないか、こういう世界観・物語が面白いんじゃないかといったゲームの構造や面白さを理詰めで考えるのが理論屋であるプランナーやディレクター、その理屈を実際にゲーム機やスマホで動くように実現するのが実験屋のプログラマやグラフィッカーになります。

 両者は相いれない部分もあるので、私のようなプロデューサーが間をつなぐわけです。プロデューサーは理論を作れなくてもいいし、実験もしなくていいのですが、全てに広く精通している必要があります。