評価面談で、上司の態度が原因で部下がやる気をなくす事例は少なくありません。面談は上司と部下が一対一で話ができる貴重な場なのに、それを活かせないのは非常にもったいないことです。面談の場で上司は何に注意すべきでしょうか。

どこがNG?

 西新宿システム・佐藤さんは、開発プロジェクトにおいて設計とプログラミングを担当しています。この1年は、2つのプロジェクトに中心メンバとして参加し、共に無事リリースさせることができました。プロジェクトでは新しい開発手法を取り入れ、プロジェクト完了後には部門内メンバ向けの勉強会も自主的に開催しました。

 新しい開発手法にも挑戦するなど、自分でも成長できた年だったと実感しています。「上司の小野課長に少しは認めてもらえるのでは」と思いながら、年度末の評価面談に臨みました。

小野「今年は2件のプロジェクトを担当したね」

佐藤「はい、大きな問題なくリリースできたので、よかったと思っています」

小野「何か取り組みはしたのかな」

佐藤「○○の手法を私が検証し、プロジェクトの中で取り入れました。当社のプロジェクトでは初めての取り組みでしたが、次年度からは他のプロジェクトにも展開できると思います」

小野「そうか、ほかには?」

佐藤「先日、メンバを集めて勉強会をしたのですが、私が講師として他のメンバに説明しました」

小野「ふーん」

佐藤「次年度は別の手法も取り入れてみたいと考えているので、社外の勉強会にも参加しています」

小野「自腹で?」

佐藤「はい、1回2000円くらいなんで安いですけど」

小野「まあ、エンジニアは自分の力を磨いておくのは仕事のうちみたいなものだからなぁ」

佐藤「はぁ」

小野「他にアピール点はないの?」

佐藤「え、他に、ですか?……」

 佐藤さんは自分の実績を決して大げさに報告したつもりはありませんでしたが、小野課長の反応は素っ気ないものでした。自主的に学習しているなど、同僚より頑張っていると自負していた佐藤さんは、小野課長の言い方にやりきれなさを感じました。