スマホで身元確認機能
評価=◎
スマホがカードの代わりに

 マイナンバーカードの機能をスマホに搭載する構想は、政府が2015年6月に閣議決定した「日本再興戦略 改訂2015」に明記されている。

 政府計画は大きく2段階に分かれる。第1段階は、NFC機能をマイナンバーカードのリーダーとして利用できるようなスマホが2017年に商品化できるよう、技術基準などを整備する。第2段階は、携帯電話のSIMカードに電子証明書を搭載し、スマホで公的個人認証サービスを利用できる環境作り。2019年の実現を目指す。

 具体的な検討が総務省の懇談会で進んでいる。主査を務める東京工科大学コンピュータサイエンス学部の手塚悟教授によれば、検討の柱は「技術」「制度」「運用」の3つ。このうち技術については「SIMへの電子証明書の格納は確立した技術。欧米で電子行政分野での利用実績もある」(手塚教授)と言い、検証実験は必要だが大きな問題はない。議論の中心は制度と運用に移っている(図12)。

図12●SIMカードにマイナンバー関連の機能を搭載する
図12●SIMカードにマイナンバー関連の機能を搭載する
総務省が主催する懇談会で検討を進めている。公的個人認証サービス用の電子証明書をダウンロードしてスマートフォン側に取り込めるサービスが有力だ。
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