ファシリテーションとは、「ある事柄に関わる人々の力を引き出し、話し合いや活動が円滑に進むよう、支援・促進する」ことであり、ファシリテーションを実践する人を、ファシリテーターと呼びます。
ファシリテーターは単なる会議の議事進行役ではなく、新たな価値を創出する場作りのエキスパートです。
本連載は、会議などで使うと効果的な、ファシリテーターの口ぐせ(言葉)を紹介します。あなたが会議の議事進行役であれ、会議を進行しているリーダーであれ、ファシリテーター的振る舞いを成功させるためには、中立であり平等である必要があります。これは、ファシリテーターがチームからの信頼を得るために大変重要なことです。『なるほど』はそんなときに役立つ口ぐせです。今回は「口ぐせを使っていない失敗編」です。
まずは、口ぐせを使っていない例をお見せしましょう。以下の会話で「あなた」に当たる人がファシリテーターになります。
【会話】
あなた | 「この件について、みなさんの意見を聞いていきます」 「Aさん、どうですか?」 |
Aさん | 「○○だと思います」 |
あなた | 「いい意見ですね!私もそう思いますよ」 「Bさんはどうですか?」 |
Bさん | 「はい、私は××だと思います」 |
あなた | 「…」 「えー、他にありませんか?」 |
ここで、Bさんの気持ちを考えてみましょう。発言した後にこのように無言でスルーされたら、どのような気持ちになりますか?
当然いい思いはしないですよね。せっかく発言したのに、Bさんは自分の発言が間違っていると、そうあなたに判断されたと思うでしょう。もう次からは発言しないかもしれませんし、あなたとの信頼関係も崩れてしまったかもしれません。