問題解決プロセスは、「問題設定」「現状把握」「原因分析」「解決策の立案」「解決策の評価」「実行計画」「実行」「振り返り」という8ステップからなります。今回はステップ6「実行計画」とステップ7「実行」です。

ステップ6 実行計画

 解決策を選んで、何をするかが決まったら、それを実行する計画を立てます。解決策が決まったらすぐに実行に移りたい気持ちはわかりますが、ガマンして計画を立てます。解決策は「何を(What)」するのかですね。計画というのは「どうやって」それを実現するのか、Howです。つまりWhatを行動に変換するわけです。

 例えば、不具合の原因がわかったとします。どのモジュールを修正するのかという方針も決まった。これは「What」ですね。じゃあ、いきなりコードを修正してもいいかというと、それはよくありません。コードを修正する前に「変更設計」しないといけません。変更設計は「どのように設計を変更するのか」というHowですね。確かに面倒くさい。わかっているんだからコードを修正すればいいと思いがちです。でも、変更設計をすることで、ケアレスミスや不要な試行錯誤をなくすことができます。

 もっと大きな話で、業務プロセスを改善し、新しい製品を市場に投入するという話なら、さすがに計画しない人はいないかもしれません。でも、計画することになっているから計画するのではなくて、計画することの意味を理解しないといけません。

 計画をするのは一種のシミュレーション行為です。計画書そのものよりも、計画を練るプロセスに意味があります。計画を練る中で、「何を、どのように使って、ゴールまでたどり着くのか」をシミュレーションすることで一度経験しておく。すると、実際に実行してみると、シミュレーションのときとは違うことに気がつく。この「違う」というズレに気づくことが大切です。