問題解決プロセスは、「問題設定」「現状把握」「原因分析」「解決策の立案」「解決策の評価」「実行計画」「実行」「振り返り」という8ステップからなります。今回はステップ3「原因分析」、ステップ4「解決策の立案」、ステップ5「解決策の評価」です。

ステップ3 原因分析

 現象を説明する事実を集めると、複数の事実がつながって現象を引き起こしていることがわかります。不具合が起きるのも、売り上げが下がるのも、何かある一つの特定の事実が引き起こすことはほとんどありません。ある事実と事実のつながり、相互作用が現象を引き起こします。この事実と事実のつながりを「構造」といいます。原因分析のステップでは、事実と事実の関係を構造化します。どのような仕組みで現象が引き起こされているかを「見える化」するのです。

 現象の裏には必ず「構造」があります。問題を解決するには、この構造に働きかけないといけません。そのために「構造化」する必要があります。

ステップ4 解決策の立案

 構造がわかれば、次に「構造をどう変えれば問題を解決できるか」を考えます。「どう現象を抑え込もうか」ではなく、そもそも問題が発生しようのない構造につくりかえるわけです。なので解決策の立案ステップは言い換えれば「構造設計」のステップです。

 問題を解決するには構造に働きかける。どうしても構造が変えられないときだけ、暫定的な処置として現象を抑える方策をとる。でも、基本は構造を変えることで対処することを覚えておいてください。

 解決策を立案するときは、必ず複数のアプローチを考えるようにしましょう。最初に思いついた案は、たいていいまいちです。無理やりにでも複数案を出す。いろんな角度から考えてみることが必要です。