コンセプチュアルスキルは一般的に「知識や情報などを体系的に組み合わせ、複雑な事象を概念化することにより、物事の本質を把握する能力」というように定義されます。概念化能力などともいわれますね。

 これを私流に定義すると、「なんとなく思っていること、なんとなく感じていることを言語化する。そうすることで、カタチのないものを、さもカタチがあるように取り扱うことができる、手応えを感じながら取り扱うことができるスキル」となります。

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 定義の中で「手応え」という言葉を使ったのには意味があります。すごく頭がいい、能力が高い人は、しゃべりながら身ぶり手ぶりが多いのです。それは単純に手でロクロを回すといったことではなく、議論を空間でとらえた身ぶり手ぶりです。

 こっちの話からこっちの話とか、いや、議論はこっちじゃなくてこっちだよね、みたいなカタチで、いま自分たちがどこの議論をしているのかを空間で指し示す身ぶり手ぶりが非常に多いのです。

 これは、カタチのないものを空間でとらえているということです。3次元の空間の中の位置関係で取り扱っているのです。明らかに本人にとっては見えているんだと思います。コンセプトというのはカタチがなくて見えないものだけれども、スキルを身につけている人たちは、それを目に見えるかのごとく手応えを感じながら操作している、取り扱っているのです。このスキルが重要です。