Windows 10では、パスワードではなく「PIN」と呼ばれる数字を使ってサインインすることが推奨されている。PINとは、4桁以上の数字で構成される暗証番号のことだが、なぜWindows 10はパスワードではなくPINを推奨するのだろうか。
今回は、PINを使う理由とその設定方法、Microsoftアカウントの「2段階認証」について解説する。
Windows 10ではPINを推奨
Windows 7からWindows 10にアップグレードすると、ローカルアカウントが引き継がれるため、ユーザーはそれまで使用していたパスワードを使ってPCにサインインすることになる。
ところが「OneDrive」のように、Microsoftアカウントと紐付くサービスを利用する場合は、MicrosoftアカウントでPCにサインインしておく方が便利だ。そこで、ローカルアカウントからMicrosoftアカウントに切り替えるのだが、切り替え時に「PIN」の設定を「強く」促される(図1)。
PINは、4桁以上の単純な数字だ。この数字がパスワードと根本的に異なるのは、サインインするパソコンと直接紐付いている点だろう。
Microsoftアカウントは、ユーザー認証をインターネット経由で行うため、どうしても漏洩のリスクがある。マルウエアに感染しているパソコンなら、入力したパスワードの漏洩は避けられないだろう。ところがPINなら、仮に漏洩しても紐付いたパソコンとセットでなければ認証ができない。この点がPINを推奨する、大きな理由となっている。