ハードウエアの要件も使っているアプリケーションも、すべてWindows 10に対応していた。にもかかわらず、Windows 10にアップグレードしたとたん、PCが絶不調になる…。なんて事態は、あまり考えたくはないが、実際には起こりえる。

 もちろん、ゆっくりと不調の原因を探す余裕があればいいのだが、とりあえずWindows 7に戻して仕事ができる状態にしなければならないことの方が多いだろう。

 そこで今回は、Windows 10にアップグレードしたPCをWindows 7に戻す方法と、Windows 7に戻したときに起こりうる問題について解説する。

Windows 7に戻せるのは31日以内

 Windows 10には、アップグレードしてから31日以内なら、アップグレード前の状態へロールバックする機能がある。この機能は「回復」と呼ばれ、Windows 10の「設定」画面から呼び出すことができる。

 ただし31日以内であっても、システムファイルのクリーンアップで「Windows.old」「$windows.~bt」フォルダーを削除している場合や、「PCを初期状態に戻す」機能を実行した場合はWindows 7に戻すことはできない(図1)。

図1●「Windows 7へ戻す機能」の確認
図1●「Windows 7へ戻す機能」の確認
Windows 10には、アップグレードしてから31日以内ならWindows 7へ戻す機能がある。ただし、システムファイルのクリーンアップを行い「Windows.old」「$windows.~bt」フォルダーを削除していると、Windows 7に戻すことができない。
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 また、Windows 10へアップグレードした後で新たなユーザーアカウントを追加した場合は、「Windows 7に戻す」機能の[開始する]をクリックしても、アップグレード前のアカウントへ戻すように指示され戻すことができない。この場合は、追加したアカウントをプロファイも含めて削除すると「Windows 7に戻す」機能が有効になる(図2)。

図2●追加アカウントがある場合
図2●追加アカウントがある場合
Windows 10へアップグレード後に新たなユーザーアカウントを追加すると、Windows 7へ戻すことができない。追加アカウントをプロファイルも含めて削除すれば戻すことができる。
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