ビジネスに求められるスピードは増す一方。そこで急速に存在感を増しているのが、他人と手軽に連絡が取れるチャットツールだ。短いメッセージのやり取りでコミュニケーションができ、相手が読んだことも「既読」マークですぐに確認できる「LINE」は、ビジネスシーンでも活用が進んでいる。ITpro読者へのアンケート結果でも、仕事上つながりのある人とのやり取りにLINEを使っていると回答した人は23.3%に上った。

 だがLINEは本来、個人向けのサービス。業務利用にはリスクがある。アカウントの乗っ取りやメッセージの誤送信による機密情報の漏洩の可能性や、業務上のやり取りを管理できないといった問題だ。こうした懸念から、従業員が私用LINEを業務にも使うことへ、頭を悩ませている企業は少なくないだろう。

 こうした状況を受けて、企業向けチャットツールの開発が活発化している()。LINEのような手軽さを実現しつつ、ユーザー管理やアクセス制限などの機能を搭載。スケジュールやファイル、タスクの管理といった機能を備えるサービスもある。

サービス名運営企業URL
チャットワークChatWorkhttp://www.chatwork.com/ja/ 
ChatLuckネオジャパンhttps://www.chatluck.com/ 
directL is B(エルイズビー)https://direct4b.com/ja/ 
Google ハングアウト米グーグルhttps://apps.google.com/intx/ja/products/hangouts/ 
HipChat豪アトラシアンhttps://ja.atlassian.com/software/hipchat/ 
Idobata永和システムマネジメントhttps://idobata.io/ja/home/ 
InCircleAOSモバイルhttp://incircle.jp/ 
PrimeChatソフトバンクhttp://tm.softbank.jp/cloud/saas/primechat/ 
Skype for Business米マイクロソフトhttp://www.skype.com/ja/business/ 
Slack米スラック・テクノロジーズhttps://slack.com/ 
Syncウォンテッドリーhttps://www.wantedly.com/sync/ 
TEんWAテンダhttps://www.tento.camp/tenwa/ 
TopicRoomNTTソフトウェアhttps://www.ntts.co.jp/products/topicroom/ 
Typetalkヌーラボhttp://www.typetalk.in/ja/ 
Works Mobileワークスモバイルジャパンhttps://www.worksmobile.com/jp/ 

 本特集では、特徴が異なる四つのツールを題材に、チャットがビジネスをどう変えるのかレポートする。一つめは、「私用LINEの業務利用」の代替策として本命ともいえる「Works Mobile」。韓国ネイバー傘下のワークスモバイルジャパンが開始したサービスだ。LINEの運営会社のグループ会社に当たる企業が投入する、いわば“ビジネス版LINE”である。

 二つめは、技術者を中心に急速に支持を集める「Slack」。米国発のサービスで、国内でも活用が進んでいる。

 ビジネス向けチャットツールの草分けともいえる「チャットワーク」が三つめのサービス。既に9万社以上に導入されている、国内最大規模のサービスだ。

 そして四つめは、“異業種参入”ともいえるウォンテッドリーの「Sync」。採用/就職支援サービスで知られる同社がなぜチャット分野に進出したのかを探る。