最も身近な通信端末は、今やパソコンではなく、スマートフォン(スマホ)です。スマホを身近な存在にしているのは、そのモバイル通信の機能です。

写真1●iPhone 6の外観
写真1●iPhone 6の外観

 スマホの登場以来、モバイル通信の速度はどんどん速くなっています。今国内で最も人気のある米アップルのスマホ「iPhone」を例に見てみましょう。2008年7月、「iPhone 3G」が日本国内で最初に登場しました。このときの最大通信速度は3.6Mビット/秒でした。それから約6年後の2014年9月、「iPhone 6」が登場しました(写真1)。最大通信速度は150Mビット/秒です。約6年の間に通信速度は約40倍になったのです。

 こうしたスマホの高速化は、その中に詰め込まれた最新技術が実現しています。普段から便利に使っているスマホにどのような技術が盛り込まれているのか、知りたいとは思いませんか。

 スマホを分解する機会はめったにありません。せっかく買った自分のスマホをバラして元に戻せなくなったら大変です。故障したときの保証も使えなくなります。そこで、日経NETWORK編集部がみなさんに代わって、iPhone 6を分解しました。スマホに内蔵されている部品と役割を理解すれば、スマホが行っているモバイル通信の仕組みの理解に役立つでしょう。