「8000枚の太陽光パネルの点検。これが2時間で終わる」。

 丘一面に敷き詰められた太陽光パネルを眺めながら、こう話すのはドローン活用サービスを手掛けるスカイロボットの貝應大介 代表取締役だ(写真1、2)。スカイロボットは、2014年9月に設立したベンチャー。ドローンを使った空撮や太陽光パネルの点検、野生動物や山林の観察調査などのサービスを提供する。

写真1●千葉県市原市の太陽光発電設備
写真1●千葉県市原市の太陽光発電設備
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●8000枚の太陽光パネルが並んでいる
写真2●8000枚の太陽光パネルが並んでいる
[画像のクリックで拡大表示]

 冒頭の発言は、2016年2月1日に千葉県市原市で実施した太陽光パネル清掃時のもの。太陽光パネルの点検には膨大な手間が必要で、工数を削減するためにドローンの利用が有望視されている。これを商機と見て、点検サービスを提供する企業はこれまでもあった。スカイロボット以外にも例えば、綜合警備保障(ALSOK)が2015年4月に、ドローンを使ったメガソーラー発電施設の点検サービスを提供開始した。

 スカイロボットのサービスにおける最大の特徴は、パネル点検だけでなく清掃作業まで担うことだ。同社は、パネルの清掃作業を半自動化できるロボットを独自開発。貝應氏は「ドローンと清掃ロボットの両方で、手間のかかる作業を効率化する」と意気込む。

パネルの状態をリアルタイムに判定

 ドローンによる点検作業の様子は次の通り。まず、スカイロボットの操縦訓練を受けた作業員がドローンを操縦し、太陽光パネルの上空を飛行させる。点検に使うドローンは、中国DJI製の「S1000」(写真3)。合計8枚のプロペラを搭載する本格的な産業用ドローンだ。DJIは、世界のドローンのプラットフォーム市場の約7割のシェアを占める最大手のメーカーだ。

写真3●中国DJI製のドローン「S1000」
写真3●中国DJI製のドローン「S1000」
[画像のクリックで拡大表示]