2016年2月15日の午後、東京都世田谷区にある田園調布雙葉学園のグラウンドから、1台の白い機体が飛び立った。ドローン(無人飛行機)である。ぐんぐんと高度を上げ、瞬く間に約100メートルの高度まで到達した。生徒からは「すごーい!」「高度は今何メートルなの?」「なんであんなに安定しているの?」などの歓声が相次ぐ。教員も上空のドローンを夢中になって見つめている(写真1)。
ドローンは最大手メーカーである中国DJI製「Inspire 1」だ。約100メートルの高度まで到達した後、撮影に適した高度まで徐々に下降。高度60メートルほどの地点で、見下ろす校舎とグラウンドの全景を撮影した(写真2、3)。
なぜ、女子校のグラウンドをドローンが飛行しているのか。実は、同園における情報科目の授業の一環なのだ。この日は、中学校と高校の合同授業が開かれ、合計で約40人の生徒が参加した。
「情報の授業では、ExcelやPowerPointの操作を習得するだけでなく、様々な体験学習を実施している。産業や社会を支えているITを、実際に肌で体験することが必要だ」。同校の小林潤一郎教諭はこう話す。