LINEでトーク画面などを盗み見られないようにするには、まずはスマートフォンのLINEアプリを勝手に使われないようにすること、そして同じLINEアカウントで利用できるパソコンやiPadのLINEアプリに注意することが重要だ。
そしてもう一つ、LINEを不正に利用して情報を盗む手口がある。それは、LINEアプリが動作するiPhoneの複製「クローンiPhone」を利用するものだ。iPhoneを使っている場合に限った手口である。
ここでいう複製とは、LINEに使っているiPhoneから別のiPhoneに利用環境のデータをコピーすること。元となったiPhoneとクローンiPhoneは、OSの設定や利用できるアプリがほぼ同じになる。もちろん、LINEアプリも複製される。
実際に複製を作ってみると、2台のiPhoneで同一のLINEアカウントを利用できる(図1)。表示される画面は全く同じで、どちらも同じようにLINEを利用できる。これを悪用すれば、利用者が気付かないまま、LINEのトークを盗み見ることができる。
この複製したiPhoneが厄介なのは、不正に気付くのが難しいことだ。パソコンやiPadでLINEを使うケースでは、スマートフォンにログイン通知が届いた。通知に記載してあるリンクからログイン中の端末を確認して、ログインした覚えがなければ強制的にログアウトさせることも可能だった。
しかし、複製したiPhoneを不正に利用されても、元のiPhoneには通知されない。LINEのサービス上は、元のiPhoneも複製iPhoneも、同じメイン端末として認識されてしまうようだ。