「LINEのアカウントが乗っ取られた」「友達とのトーク(会話)の内容がほかの人に漏れてしまった」――。こんな事件がときどき話題になる。その多くは、被害を被ったユーザーの「油断」に原因があるようだ。

 LINEは誰でも簡単に利用できるサービスである。ただ、設定が甘かったり、うかつな使い方をしたりすると、やっかいなトラブルを招く恐れもある。言い換えると、LINEアプリの設定やスマートフォンの使い方に問題があり、そこにつけ込まれてしまうのだ。

 実は、不正アプリや高度な技術を利用した攻撃者がLINEに不正なアクセスをして情報を盗み出す、といったケースはあまりない。適切な設定や簡単な対策をしておけば、多くの場合、トラブルは回避できる。

 この特集では、LINEをどのように使えば情報漏洩などのトラブルを防げるかについて、解説しよう。

「スマホ中心」だからスマホを守る

 LINEにおける情報漏洩対策において基本となるのは、スマートフォンを守ることだ。つまり、自分のスマートフォンを第三者が勝手に使えないようにする必要がある。

 一般的なSNSであれば、まずはユーザーIDやパスワードをしっかり管理すべき、というところだ。しかしLINEについては若干事情が異なる。

 ここで、LINEアカウントの特徴を簡単に説明しておこう。LINEを使い始めるにあたっては、まずスマートフォン用の公式アプリか従来型の携帯電話で、アカウントの新規登録を行う。この新規登録に使ったスマートフォンまたは携帯電話が、LINEユーザーにとってのメイン端末となる。

 LINEを利用する際は、携帯電話番号を、SMS(ショートメッセージサービス)を使って確認する(図1)。スマートフォンと電話番号にひも付く形で、LINEが利用できるようになる。その後、メールアドレスとパスワードを設定することはできるが、登録時のスマートフォン以外でLINEを利用するためのもので、設定は必須ではない。

図1●利用登録時の電話番号認証画面
図1●利用登録時の電話番号認証画面
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