ネットワークの定番トラブルの1つが、LANでフレームが永遠に回り続ける「ブロードキャストストーム」である。ブロードキャストストームが発生すると、ネットワークの帯域を使い尽くし通信不能になるため、LAN全体がダウンするトラブルにつながる。
ユーザーが勝手にLANケーブルを接続した結果、LAN内にループ接続ができるのがありがちな原因だ。
ループ接続により全ネットワーク向けに発信されるブロードキャストフレームが消えずにぐるぐる回り、トラフィックが増え続ける。ブロードキャストの嵐(ブロードキャストストーム)と呼ばれるのはこのためだ。
ブロードキャストストームによるLANのダウンを避ける対策の一つが、スイッチが持つループ対処機能の利用だ。ユーザーがケーブルを誤接続しても、スイッチがブロードキャストストームの発生自体を防ぐ。
ユーザーがケーブルを誤って接続する可能性があるのは、ユーザーに近い場所のスイッチだ。特に、ユーザーの手の届く場所に設置しているスイッチではループ対処機能をオンで利用すべきだ。
ループ対処機能には「ループ検知」と「ストームコントロール」の大きく2つの方式がある(図)。スイッチベンダー各社は独自でこれらの機能を実装しているが、仕組み自体は概ね同じだ。