IoT化によって「モノ」を売るビジネスから「コト」や「サービス」を売るビジネスへの移行が起こっています。ここでいう「サービス」とは、IoTの中でもモノと連携したアプリケーションやWebサービスを指します。モノだけでは製品の差別化が困難となり、サービスを提供することで付加価値を上げる必要があります。

 最終回となる第4回では、第1回から第3回までを総括して、IoTの製品開発における4つのポイントを紹介します。

(1)ネットワーク技術の選択
(2)売り切りからストックモデルへの転換
(3)IoTのサービス作りをどのように取り組むか
(4)アジャイル開発〜失敗を恐れずにとにかくやってみる

ネットワーク技術に何を選択すべきなのか

 IoT機器を作る際に、必要になるのが通信モジュールです。IoTの中では「モノ」のセンサーデータを取得することや、遠隔から操作すること、最新のファームウェアに更新することなど、様々な用途があります。ただしどのような用途でも、モノがインターネットにつながっている状態であるためには通信が不可欠です。

 一方で、第1回に触れたように、IoTの通信規格には様々なものがあります。

・3G
・LTE
・Wi-Fi
・Bluetooth/Bluetooth Low Energy(BLE)
・RFID
・NFC
・ZigBee(920MHz帯)


上記の他にも多様にありますが、提供するモノがどのような環境化で利用されるか、バッテリーへの影響、通信距離の問題などを検討する必要があります。

 また、通信回線は安定性が気になるところかと思います。通信方式によっては、回線が不安定であることや、不通となってしまう場合もあります。また、クラウド(インターネットなどを活用してネットワークに接続されたコンピュータを利用するサービス)などのインターネットサービスを活用していれば、動作保障があったとしても障害が起きることはあるでしょう。こういったことは、事前に検討してリスクに盛り込んでおく必要があります。