日本の追い込み漁に対するアノニマスの抗議活動(オペレーション)「OpKillingBay」が、2015年9月頃から11月にかけて活発化していました。2013年11月に立ち上がり、当時は関連企業や団体を中心に攻撃していました。その後は攻撃対象を広げています。攻撃は、大量のアクセスでWebサイトをダウンさせる「(D)DoS攻撃」や、システムの脆弱性を突いて個人情報や機密情報を盗んで公開する「Leak」が中心です図1)。

図1●アノニマスの抗議活動「OpKillingBay」 で行われた(D)DoS攻撃とLeak
図1●アノニマスの抗議活動「OpKillingBay」 で行われた(D)DoS攻撃とLeak
日本の追い込み漁に対するアノニマスの抗議活動「OpKillingBay」では、 2015年9月から11月に、大量のアクセスでWebサイトをダウンさせる「DoSまたはDDoS攻撃((D)DoS攻撃)」 と、個人情報や機密情報を盗んで公開する「Leak」の2つが行われた。
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▼日本の追い込み漁 主に和歌山県太地町のイルカや小型クジラの追い込み漁を指す。
▼(D)DoS攻撃 DoSとDDoSの両方を意味する。DoSとDDoSのどちらなのかを区別する必要がないよう、本連載ではこのように表記する。
▼「Leak」が中心です アノニマスの抗議方法は大きく6つある。(1)デモ、(2)Leak、(3)(D)DoS攻撃、(4)改ざん、(5)特定、(6)ツイート攻撃。

メディアも攻撃対象に

 最近の攻撃で注目すべきは、追い込み漁に関連する組織だけでなく、新聞や雑誌といったメディアも攻撃されている点です(表1)。これまで、アノニマスにはメディアを攻撃しないという不文律があるとされていました。アノニマスは標的にした組織のシステムをダウンさせて世間の注目を集め、自分たちの主義・主張をメディアによって広めようとするからです。

表1●OpKillingBayではメディアも標的に
表1●OpKillingBayではメディアも標的に
OpKillingBayでは2015年9月から、追い込み漁に関連するWebサイトだけでなく、これまでアノニマスが攻撃しなかったメディアも標的になった。
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