第1回は、スマホと家電機器が連携することでどのようなことが実現できるのか、全体像を解説した。ここからはカテゴリーごとに、スマホ家電がどのような機能やサービスを実現しているのか紹介していきたい。

 今回は、テレビやBDレコーダー、AVアンプ、ビデオカメラなどのデジタルAV機器におけるスマホ連携だ。

スマホはインテリジェントな操作に最適

 前回も紹介したように、AV機器は最もスマホとの連携が進んでいるカテゴリーだ。デジタル機器同士で親和性が高いことも一因としてはある。しかしそれ以上に、多くの白物家電などと違って、テレビ画面や液晶ディスプレイを通じて操作ができるため、よりインテリジェントな機能や便利なサービスが求められていることが、大きな理由と考えられる。

 テレビやBDレコーダーは、「追加される機能はあっても削減される機能はない」と言ってもよいほど、多機能化や高機能化が進んでいる。その一方、ユーザーインタフェースであるリモコンは、ボタンの数が増える程度。タッチパネルや音声操作機能を備えたリモコンも一部の製品に付属しているものの、あまり進化しているとはいえない。

 そのためか、AV機器におけるスマホ連携は、スマホの高精細な画面の一覧性、タッチパネルの高い操作性、さらには番組検索などに音声認識による文字入力機能などを取り込む動きが活発だ。スマホを、「インテリジェントなリモコンとしての活用」するわけだ。

[テレビ] 操作や検索がスマホで手軽に

 スマホ連携が可能な薄型テレビは、スタンダードモデル以上の機種である。これらのモデルは基本的に、録画機能に加えて、Webブラウザーや動画再生などのインターネット接続機能を備えている。

 パナソニックのVIERAシリーズの場合、無料の「TV Remote 2」アプリ(Android/iOS対応)を利用することで、スマホの写真や動画をテレビで再生したり、音声で録画番組やネット動画を検索したり、録画番組をスマホで視聴したりできる(図1図2)。テレビ本体の「スマートTVアプリ」を、スマホで操作するといったことも可能だ。

図1●パナソニックのスマホ向け無料アプリ「TV Remote 2」の画面
図1●パナソニックのスマホ向け無料アプリ「TV Remote 2」の画面
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図2●TV Remote 2はリモコン代わりとして使うこともできる
図2●TV Remote 2はリモコン代わりとして使うこともできる
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