一昔前までは「テレビがリビングの中心」などと言われていた。しかし今や、スマートフォン(スマホ)が我々の生活の中心になっている、といっても過言ではない状況だ。

 携帯電話の新製品というと、そのほとんどはスマホだ。携帯電話契約者の半数以上がスマホユーザーに移行したと言われている。携帯電話のメイン機能である通話のしやすさや電話のかけやすさこそ、数字ボタンを搭載する「ガラケー」に軍配が上がるものの、それ以外の機能はスマホが勝る。カメラ、メール、Webブラウザー、SNS、地図、携帯音楽プレーヤーなど、様々な機能を利用できるのが大きな強みだ。さらに、好きなアプリを追加すれば、機能やサービスの可能性は無限大に広がる。

 スマホ1台で何でもできてしまうため、コンパクトデジタルカメラもビデオカメラも不要という人もいるだろう。ウォークマンのような携帯音楽プレーヤーもわざわざ買う必要がない。YouTubeなどの動画共有サービス、動画配信サイトなどが充実しているので、テレビを見る時間が減ったという人も増えているようだ。

 家電メーカーにとってのスマホは、市場の“破壊者”のように思えるかもしれない。しかし、そのスマホとうまく付き合うことで、製品の魅力を高めようとする動きが見られる。

 それが「スマホ家電」だ。