プロジェクトの進捗を説明する報告会。漫然とやっていると、思わぬところで反感を買い、敵を作りかねない。プロジェクトの目的を正確、かつ簡潔に説明し、抵抗勢力にも一目置かれる会議のやり方と資料の作り方を学ぼう。

 これまでの7 回で、抵抗勢力との向き合い方を解説してきた。最後に「中間報告、最終報告での配慮」と「会社の特徴別に気をつけてほしい抵抗勢力対策」を紹介しよう。

中間報告と最終報告での配慮

 報告会ではプロジェクトの成果や進捗を説明するわけだが、単に報告の場であるだけでなく、抵抗勢力対策としても重要な意味を持つ。プロジェクトへの関与が少ない人たちに向けて内容を説明することになるわけだが、時間は限られるため、その伝え方は難しい。

 簡潔にまとめ過ぎると何も検討していないように見えるし、なぜその結論が出たのかを理解できなかったりする。逆に細かい話を盛り込み過ぎると、情報量が多くて理解できない。納得感を持ってもらうには工夫が要る。

 多くのプロジェクトでは、ここを軽視しがちだ。そこで8 つのポイントを挙げておく。

1.こまめに報告の場を持つ

 プロジェクトに夢中になると、忙しくてつい報告が遅れることがある。非の打ち所がない完璧な報告がしたくて、報告が遅れることもある。しかし、中間報告が遅れるということは、それだけ軌道修正が遅れることを意味していると理解しておきたい。早めに中間報告ができれば、見直さなければならない点が早めに浮き彫りになる。

 これを怠ると、後が大変だ。必ず数回に分けて、それまでに分かったことを報告するようにしよう。内容的にも先出ししておければ、最終報告でのボリュームを減らせる。最終報告での“一発勝負”はリスクが大きく、避けなければならない。