無線LANを導入する際に見落としがちなのが、トラフィックの変化だ。無線LANの速度は侮れない。11nでも、1台あたりの速度は数十Mビット/秒だ。有線LANを増強し、無線LANに影響を与えないようにしたい。

 特に注意したいのが、無線LANコントローラー回りのトラフィックだ(図4-4)。無線LANの通信を一旦集約するゲートウエイとして動作し、アクセス先を制御する機能を備えるものがある。

図4-4●スイッチやコントローラーがボトルネックになり得る
図4-4●スイッチやコントローラーがボトルネックになり得る
無線LANを導入する際は、トラフィックの変化にも注意したい。古いスイッチや通信が集中するコントローラーがボトルネックになることがある。
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 この場合、「トラフィックがコントローラーとその周辺スイッチに集まり、パケットの流れが大きく変わる」(富士通の福島氏)。変化を想定し、スイッチの処理能力の増強や、機器故障を想定した冗長化などの対策をしておきたい。

 クライアントの種類にも気をつけよう。「iPhoneのように一斉にOSのアップデートが実施されるクライアントが多いと、短時間に突発的なトラフィックが発生する」(フルノシステムズ 営業本部の渡辺 大輔氏)。