無線LANで使用する周波数帯は、2.4GHz帯と5GHz帯がある。これらは電波の特性が異なるので、同じように使ってはダメだ。逆に上手に使い分ければ、無線LAN環境はより快適になるはずだ。

 2.4GHz帯は、「汚れている」と評される混雑した周波数帯。免許が不要なので、無線LAN以外の様々な機器が利用している。モバイルルーターやスマートフォンのテザリングでも、2.4GHz帯で無線LANの電波を発信しているものが多い(図2-3)。Bluetoothも2.4GHz帯である。

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 5GHzはその点では「キレイ」であり、通信も安定しやすい。ただ、電波が届く範囲は比較的狭く、電波の直進性が高いので障害物に弱い。対応する機器が少ないのも弱点といえるだろう。

 使い分けは、「5GHz帯は高い信頼性が求められる通信用、2.4GHz帯はそれ以外」(シスコシステムズ エンタープライズネットワーク事業の荒谷 渉氏)とするのが一般的。前者はIP電話や業務用クライアント、後者はBYOD端末やゲストアクセス用、などだ。

▼テザリング
スマートフォンやタブレットをルーター代わりとして、ほかの端末がインターネットなどに接続できるようにする機能のこと。
▼IP電話
音声データをIPネットワーク上でやり取りし、一般的な電話のように通話できるようにする仕組み。
▼BYOD
Bring Your Own Deviceの略。個人が購入し所有する機器を、オフィスなどで業務に利用する行為のこと。企業がパソコンやスマートフォンを用意せずにすむ。
▼ゲストアクセス
来客者が一時的に利用可能なネット