気持ちばかり先走って顧客目線を見失ってしまう、目先の数字に一喜一憂して組織的成果や部下育成まで気を配れない――頭の隅ではよくないと分かってはいても、厳しい商談が続くとついつい営業活動の基本を見失ってしまいがちなもの。営業力強化システムを手がけるアスクラボCEOの川嶋謙氏も、コンサル営業を苦心して軌道に乗せるなか、「守るべきもの」と「変えるべきもの」を懸命に見極めて自社メルマガに書き綴ってきた。その中から特に印象的なものを紹介しよう。
連載
IT営業の「理路整然」
目次
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正直者に損をさせない
市場の変化を先取りするために、現場スタッフに事実と正直な所感を入力してもらうには、マネジメントの変更が必須となります。現場スタッフがつかんだ事実やスタッフの正直な所感は、批評や批判、苦情などが多く含まれており、経営者・管理者にとっては面白くない、耳障りな内容がほとんどです。
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不安解消マネジメントからの転換
企業は業績が悪くなると会議が多くなりがちです。その原因は、上層部が業績悪化に不安を抱き、その不安を解消するために実績数字の達成状況や活動状況を確認するというような「数字中心の会議」が頻繁に行われるからではないでしょうか。
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注意力をそぐ「悪い自信」
ある落語家が寄席で初めての演目を披露しました。その演目は観客に大変受けて、落語家はうれしく思うとともに、「この演目は観客に受ける」と自信を持ちました。しかし、別の寄席で同じ演目を披露したところ、今度は全く受けませんでした。
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最初の3分、説明は1分、質問は10秒
30分のアポイントが取れたとしても、30分の時間が自分に与えられたわけではありません。最初の3分をどう対応するかによって、残り27分の密度は決まってしまいます。
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素人はアクションが大きい
私が子供の頃から通っている理髪店の店主は、武道に通じた方で空手の有段者でもあります。私が大学生の時、その店主に誘われて空手道場にお邪魔したことがあります。そこでその店主の武道の先生にお目にかかりました。その先生が私に棒切れを渡すと、「この棒で、どこでもよいから思い切って私に攻撃してきなさい」と言わ…