PowerShellの面白さや便利さは、スクリプトにあります。スクリプトとは、いろいろなコマンドを複数個並べて、単独のコマンドだけではできないような複雑な処理を実現するための手順書です(図2-1)。一種のプログラミング作業で、難しい印象がありますが、やりたい手順がまとまっていれば、それほど難しくありません。

図2-1●スクリプトは手順書
図2-1●スクリプトは手順書
スクリプトは、簡単に言ってしまえば作業手順をコマンドで表したものだ。繰り返し同じ処理をしたい場合や、あるコマンドの結果に応じて処理を変える場合などは工夫が必要だが、考え方自体はとてもシンプルだ。
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 PowerShellでスクリプトを実行するには、事前の準備が必要です。実はWindows 10などのクライアントOSや、Windows Server 2012以前のサーバーOSの場合、PowerShellの実行ポリシーが「Restricted」(制限)に設定されています(図2-2(a))。これはスクリプトの実行を禁止する状態です(同(b))。

図2-2●PowerShellスクリプトを実行できるようにする
図2-2●PowerShellスクリプトを実行できるようにする
Windowsの既定の状態では、スクリプトを実行できない(a)。実行ポリシーはいくつか選択できるが(b)、実際にはRemoteSignedを使うのが一般的だ(c)。
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 そこで実行ポリシーを変更して、スクリプトを実行できるようにします。具体的には「Set-ExecutionPolicy RemoteSigned」コマンドを管理者権限で実行します(同(c))。これでそのパソコンにおけるPowerShellの実行権限が変更でき、どのユーザーでもスクリプトの実行が可能になります。