3位に入った「HTTP/2」は、Webサーバーとクライアント間の通信の標準手順であるHTTPの新版。米Googleが開発したプロトコル「SPDY」をベースに、データの圧縮方式などを見直して策定した。国立情報学研究所の佐藤氏は「前バージョンのHTTP1.1から16年を経て誕生したため、インパクトがある」と指摘する。
HTTP/2の特徴は、クライアントのWebブラウザーで表示する速度が従来より向上すること。HTTP/2の標準化作業に加わったインターネットイニシアティブの大津繁樹氏(プロダクト本部 アプリケーション開発部 サービス開発2課 シニアエンジニア)は、「最近のSNSや地図サービスのように、一つのページで大量のリクエストが発生するWebサイトを閲覧するときに特に効果を発揮する」と話す。
一度に沢山のファイルを要求する
表示速度を高めるための主な仕組みは二つある。(1)要求・応答の多重化と、(2)ヘッダー圧縮技術「HPACK」である(図)。
(1)は、1本のTCPコネクションで多数の要求と応答をやり取りすること。従来のHTTPは、本体のHTMLファイル、画像ファイルなどとWebページの各要素を取得する際に1本ずつTCPコネクションを張っていた。コネクションを確立するためのオーバーヘッドが大きい上に、要素ごとに要求と応答を繰り返す分、クライアントとWebサーバーの間を行き交う遅延時間が大きくなっていた。