日経BP社は、ITインフラを対象にした表彰制度「ITインフラテクノロジーAWARD 2016」において、2016年に企業への導入が進むと予想される注目技術・製品・サービスを三つ選出した。

 本AWARDは、クラウドサービスやデータ分析基盤など、企業向けのITインフラが急速に進歩していることを受け、日経SYSTEMS編集部が中心となって今後注目すべき技術・製品・サービスを選出するもの。1年前に開催した「ITインフラテクノロジーAWARD 2015」に続き、今回が2回目の開催となる。

 2016年にブレークが確実と見られる「グランプリ」には、「ハイパーコンバージドインフラストラクチャー」を選出した。企業のサーバーやストレージの構成を一変させる可能性を秘めるアプライアンスである。

 併せて、グランプリに準ずる勢いがあり、2016年にブレークが期待できる技術を「2位」と「3位」に選出した。2位は、機械学習を実施する際の負荷やコストを大幅に抑えられるクラウドサービスの「クラウド型機械学習」。3位はWebブラウザーの表示速度を高める、新しい通信プロトコルの「HTTP/2」である。

 本AWARDの審査に当たっては、まずITインフラに造詣が深い有識者6人と日経SYSTEMS編集部が、候補となる約50の技術をノミネートした。対象の分野は大きく五つ。パブリッククラウド、プライベートクラウド、データ、ネットワーク、運用である。これらのノミネートを基に、有識者らで構成するステアリングコミッティーで審査し、決定した。

 審査員は、石田裕三氏(野村総合研究所 上級アプリケーションエンジニア)、漆原 茂氏(ウルシステムズ 代表取締役社長)、佐藤一郎氏(国立情報学研究所 教授 アーキテクチャ科学研究系)、新野淳一氏(Publickey 編集長/Blogger in Chief)、森 正弥氏(楽天 執行役員 楽天技術研究所 代表)、日経SYSTEMS編集長の森側真一の6人(写真1)。いずれも、第1回に引き続き審査員を務めたメンバーだ。

写真1●ITインフラテクノロジーAWARD審査会のメンバー 左から石田裕三氏(野村総合研究所 上級アプリケーションエンジニア)、漆原 茂氏(ウルシステムズ 代表取締役社長)、佐藤一郎氏(国立情報学研究所 教授 アーキテクチャ科学研究系)、新野淳一氏(Publi ckey 編集長/Blogger in Chief)、森 正弥氏(楽天 執行役員 楽天技術研究所 代表)、森側真一(日経BP社 日経SYSTEMS編集長) 写真撮影:山西英二
写真1●ITインフラテクノロジーAWARD審査会のメンバー 左から石田裕三氏(野村総合研究所 上級アプリケーションエンジニア)、漆原 茂氏(ウルシステムズ 代表取締役社長)、佐藤一郎氏(国立情報学研究所 教授 アーキテクチャ科学研究系)、新野淳一氏(Publi ckey 編集長/Blogger in Chief)、森 正弥氏(楽天 執行役員 楽天技術研究所 代表)、森側真一(日経BP社 日経SYSTEMS編集長) 写真撮影:山西英二
[画像のクリックで拡大表示]

 さらに、2016年にブレークするかどうかは不透明なものの、企業のITインフラにとってインパクトが強い技術を、6人の審査員に一つずつ挙げてもらった。挙がった六つの技術については「審査員特別賞」とした。選ばれた六つの技術はすべて、先進技術を日々追いかけるITエンジニアをワクワクさせるもので、しかも審査員各氏の個性が垣間見えるラインアップになっている。